何故かBGMがラルクアンシエルの「Awake」な二矢です( ´ω)
前編から少し間が空いてしまいましたが、
自作「Garden of Heterodoxy」を自己考察してみようの後編。
今回は、曲それぞれにスポットを当てて、
1曲ずつ制作段階で考えてた事や自己批評をしてみます。
前編を読まれてない方で読んでみたいと思ってくださる方は、こちらから↓
アルバム「Garden of Heterodoxy」自己考察・前編
それと、アルバム収録曲の試聴ページは、→こちらからどうぞ
文章のレイアウトが普段と違う感じになるかと思いますが、
見やすい文章の形を色々と模索中なので、ご勘弁を。
このブログに最適な文の入れ方っつうのがなかなか掴めないもんで。
1.「Monochromecircle Promenade」
アルバムの1曲目にして、恐らく収録曲中で最も異質な曲。
それもそのはずで、実はこの曲、元々はアルバムのイントロダクションの曲として作り始めて、長さも1~2分内に収めるつもりだったのです。それが実際やってくと作業が調子よく進んで曲のノリもいい感じになってって、ほぼまとまったと思ったところで聴いてみたら3分超えてたっていうw長くなったもんは仕方ないという事で、ちゃんとしたタイトルをつけて単体の曲として収録した訳です。2曲目に曲間なく繋がるのも、元々そういう流れを想定していたから。使ってるソフトシンセがテクノ・エレクトロに非常に強いので、この曲の様な音は得意分野。そのせいもあってか作ってて困る事がほとんどなかった様な。まぁそれも曲が長くなった要因の1つでしょうね。
元ネタは65DaysOfStatic「The Distant And Mechanised Glow Of Eastern European Dance Parties」に収録されている「Dance Parties[Distant]」。これ聴いて「4つ打ちテクノっぽいの作ってみたい(゜Д゜)!」と思って作ってみました。あくまで「っぽいの」なので、実際そうなってるかは全く自信ありません( ω)
2.「Progress to Rebellion」
アルバム収録曲の中で一番最初に作り始め、一番最初にまとまった曲で、一番まとめるのに時間がかかった曲。実質3週間くらいかかったと思う。
打ち込み感全開でブレイクビーツっぽさも入れてチキチキガチャガチャうるさいリズム隊と低音域でひたすら刻むギターにエレクトロなうわものっていう、ある意味とても自分らしい曲。ポストロックにハマって以降の自分の嗜好全開の曲だと思うし、自分が聴くのも作るのも好きなタイプの曲です。後半の曲展開に結構悩んで、一番最初のデモ版と収録されてる版とではかなり違ってたり。前半は勢い重視でガツガツ進んでるのに比べると、後半で悩んだ分勢いが落ちてしまってるのが反省点かなぁ。というか、この曲を作りながら「そういや俺ってちゃんと1曲を曲の終結までしっかり作りこんだ事ってあんまないんだよな」という事を再認識したりして、着地点を見つけるのにかなり時間がかかりました(´・ω・`)
リズム類は前述の65DOSとかNine Inch Nailsの「With Teeth」辺り、ギターの刻みはそれらに加えて普段好んで聴くへヴィロックやメタル、エモ/スクリーモ辺りから大きく影響を受けてますね。作ってる段階から65DOS+NINはとくに意識してたと思う。
3.「Nescience」
収録曲の中では、リメイク曲を除くと一番最後に出来た新作。
すでに出来上がってた新曲4曲と作り直して入れるつもりだった1曲の収録を決めて、あと1曲入れたいと考えた時、「あと自分が作れる曲ってどんなだろう」というところから考え始めて、他の5曲とジャンル的にも音色的にも被らないものってのを考えた結果、ミニマルテクノ・エレクトロっぽいこの曲が出来上がりました。この手の音楽に詳しい友人には「クリックテクノっぽい」とか言われたなぁ。クリックテクノって何(´-ω-)?最後に作っただけあって、音色の作り込みや打ち込みが一番こなれてて、完成度はなんだかんだで一番高い様な気がします。無駄な音を詰めずに、特に前半で必要な音だけを配置して構成するっていう狙いもうまい事成功していい効果出てると思うし。前半はポストロック~エレクトロっぽいのに後半でポップな方に流れてしまうのは、自己考察・前編で述べた様な「ゲームミュージックを知って聴いてくれるであろうリスナーの耳を意識した」結果です。
元ネタは、ausとかNo.9とかSDNMTとかですかね。ポストロックにハマってそこからの派生でエレクトロを色々聴いてた時期に新宿のタワレコで聴いて気に入ったミュージシャンやバンドで、それらの音からモロに影響受けてますよ。
4.「Garden of Heterodoxy」
タイトルトラックにして、アルバム中一番おかしい曲。そういう点では一番俺らしいとも言える曲。制作順としては「Progress to Rebellion」とほぼ同時期に作り始め、完成したのもそれに続いて2番目。ちなみにタイトルは完全な後付けw
作る段階からこじんまりまとめる事は意識せず、遠慮なく展開させてったり色んな音をどんどん入れたりした結果、何とも形容しがたい曲になりました。他の曲は曲としてまとめる為にどれもある程度使う音色が多くなり過ぎない様にセーブしたり、あまりにあっちこっちに飛んで聴きにくくならない様収まりのいい展開を探ったりしたのだけど、それらとは逆のベクトル向いてます。「自分のやりたい事をやりたい様にやりました」って感じの曲ですね( ´ω)前半部分のギターのリフが左右で二度音程になってたりとか、全編で鳴ってるピアノの和音とか、色んなとこで自分がクラシックの曲を作る時に好んで使う和声や技法も盛り込んであります。
この曲のみ、明確な元ネタがありません。作る段階から自分らしさとか個性ってものをそれなりには意識してたし。敢えて言うなら、今まで聴いてきた曲全ての影響を受けてると言えますかね。正直こんな訳分からん曲他で聴いた事ないしなぁ。。。( ω)
5.「The Regret Corridor」
アルバムの中では一番メロゥな曲で、多分一番ゲーム音楽っぽさを意識して作ってある曲。
さきに元ネタをバラしてしまうと、映画「魍魎の匣」のサントラの中の1曲がすごく面白くて、「こんな曲作ろう(゜▽゜)!」と思い立って作ったのがこの曲。なので、他の曲よりもBGM的な雰囲気が強いし、感覚的にもEGSのゲームに提供させてもらってる曲を作るのに近かったです。メロディを歌う音色も敢えてあまりエフェクト等でいじらずチープなままにしたり、全体に流れる音も一昔前のゲーム音楽っぽく、過度にいじる事を避けて組み上げました。そのせいか、ゲーム音楽に慣れてる人には割と好評だったけど、そういう意識なく聴いた人には不評だったみたい(´・ω・`)展開も単調ですが、これはBGMというよりも、クラシックの技法でいうオスティナートっていうものを意識したからですね(俺の好きな日本の作曲家、芥川也寸志が好んで使った手法。)。最初はミニマルチックにしようと思って作り始めたけど、どうも俺の場合はミニマルっつうよりはオスティナート風になってしまう事がこの曲に限らず多いですね。ミニマルに徹し切れないっつうか、そこまで突き詰めるのがどうも嫌みたい?まぁ実際ミニマルミュージックは聴いててもさほど面白いと思わんですしね。
6.「Destruction of Our Prejudice(Remodeled)」
アルバム収録曲中、唯一過去にあった曲(正確には断片)を作り直して収録した曲。アルバムの流れとしても、5曲目までで一旦完結して、6曲目はボートラ扱いに近いです。
元々あったのは冒頭1分ちょい程で、いつだったかEGSとは別件でゲームに提供する音楽を作ってた時に作ったもの。さすがに激しすぎるという事でその時はボツにして、でもリフや流れがすごい気に入ったのでいつかちゃんと作ろうと思って残しておいたのです。そしてアルバム制作中に時間がなくて新曲は5曲くらいが限界だなと思った時に、「そうだあれ作り直して入れてしまおう、メタルだから曲調も被らんしいいジャマイカ(゜Д゜)!」って事で新曲の制作が終わってからデータ引っ張り出して続きを作って前半も音色を差し替えたりいじったりして作り上げ、アルバムに収録された訳です。元の断片を作った当時は何故かこういうメタルっぽい激しくてただやかましい曲を作りたくて仕方がなかった時期で、何かストレスでも溜まってたんかなぁと思います( ω)時間があまりにない中で作ったので、収録曲の中では一番作り込みが甘く、「ここはもっとこう出来た」みたいな後悔が一番多い曲ですねぇ。特に音色はもっと突き詰めれたな、と。聴いてて一番気持ちいいのもこの曲だけどね。この曲でアルバムが締め括られるという構成は、流れ的には成功だったんじゃないかと思ってます。
元ネタは、元の断片作った段階ではSlipknotで、完成させる段階ではそれに加えてUnderoathやRaunchy辺りも意識して作りました。特に終盤はRaunchyからの影響が大きいと思う。ただ、Raunchyって日本ではかなりマイナーだろうから分からんだろうな(´・ω・`)
以上が「Garden of Heterodoxy」に収録された全曲です。長くてごめんなさい(´д`)
振り返ってみると、大半に明確な元ネタ曲があったりしてそういう点でもやっぱりサウンドトラックCDっぽいなぁって気がします。4曲目を除いて、ゲーム音楽から来てくれるであろうリスナーを想定して作ったし、そもそも大抵のサントラでオリジナリティなんて意識しないと思うしね。初めてのCDとしては頑張った方だと思うんだけどね。。。
そういえば、ミックスやマスタも全部自分でやったんだけど、この手の音楽に詳しい友人がミックスの部分を褒めてくれたのが嬉しかったなぁ。今までに聴いてきた音楽で培った自分の耳と感覚だけが頼りで本当にこれでいいのかって不安の中でミックスしたから、一番不安な部分だったのよね。だから余計に嬉しかったりしましたよ。音楽って好みを基準にしか語れない部分がとても多いと思うけど、ミックスなんかの技術的な部分は数少ないそうでないところだと思うしね。